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新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』
(PDF 32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田 直芳

日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
(PDF 12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田 直芳

パワーポイント資料は、こちら。

zoom RSS 公認会計士高田直芳:なんとかの一つ覚えの経営分析

<<   作成日時 : 2016/01/05 01:00   >>

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2015年の暮れに出版社から、旧版『決定版 ほんとうにわかる経営分析』の校正原稿が届いたので、年末年始を利用して赤ペンを入れていました。

次に掲げる旧版を出版したのは、2002年7月。
決定版
ほんとうにわかる経営分析

高田 直芳
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2016年2月中旬に出版した新版は、13年間にわたる会計制度などの改正事項を盛り込みました。
ですから、次に掲げる新版は、全面改訂版になります。
[決定版]
新・ほんとうにわかる経営分析

高田 直芳
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赤ペンを入れる作業の合間に、市販の会計ソフトではどのような経営分析機能が搭載されているのだろうかと、インターネットを利用して検索してみました。

思いつくままのソフト名で検索して、その検索結果に、年の初めから大笑い。
市販の会計ソフトでは、そのすべてに、CVP分析(損益分岐点分析・限界利益分析・線形回帰分析)が搭載されていました。

他者と同じでなければ不安で仕方がない、日本人の性格をよく表わしています。

上場企業などで導入されている会計システムでも、そのすべてでCVP分析(損益分岐点分析・限界利益分析・線型回帰分析)が搭載されています。
この機能を利用して、固定費と変動費とに分解する作業を行なわなければ、決算短信の「業績予想」には取り組めないですから。


CVP分析(損益分岐点分析・限界利益分析・線形回帰分析)は、アメリカ人のヘス(C.Hess)が1903年(明治36年)に考案し、同じアメリカ人の ノイッペル(C.Knoeppel)が1920年(大正9年)に損益分岐点図表(CVP図表)を作成 したのが始まり。
次の関連ブログでも紹介しています。
【関連ブログ】

爾来、100年近くにわたり、なんとかの一つ覚えみたいに、会計ソフトに搭載され続けてきたのが、CVP分析です。

固定費・変動費・損益分岐点・限界利益(貢献利益)などの用語は、なんとかの二つ覚えです。


『ほんとうにわかる経営分析』の全面改訂版でも、もちろん、CVP分析を説明しています。

企業のコスト構造を固定費と変動費とに分けて論ずることは、経営分析の基本中の基本だからです。

しかし、私(高田直芳)は、いくつかの問題点を認識しながら、今回の全面改訂版に取り組みました。


【認識すべき問題点その1】

企業外部の第三者が、上場企業の有価証券報告書(四半期報告書を含みます)を利用して、CVP分析を当てはめると、固定費がマイナスになるケースを、しばしば見かけます。

ところが、書店に並ぶ経営分析や管理会計の書籍をいくら調べても、固定費がマイナスになる現象について言及したものは、1冊もありません。

ましてや、固定費が何故マイナスになるのか、という点について考察した書籍や学術論文は、日本だけでなく欧米にも、1冊も1本も存在しません。
書籍を棒読みしているシステム開発会社が、自ら気づくわけもなし。

固定費は、なぜ、マイナスに転落するのか。
この問題については、次の関連ブログを参照。
【関連ブログ】

【認識すべき問題点その2】

企業外部の第三者がCVP分析を利用するときは、最小自乗法(最小2乗法)を用います。
企業内部の者がCVP分析を利用するときは、勘定科目法を用います。

勘定科目法をもう少し細分化したものに、費目別精査法があります。
費目別精査法は、科目比率法や科目案分(按分)法とも呼ばれます。
市販の会計ソフトや上場企業の会計システムで採用されているのは、費目別精査法のほうです。

費目別精査法とは、個々の科目ごとに、固定費と変動費の割合を決める方法です。
例えば、役員報酬が1億円であるならば、固定費の割合を90%(9000万円)、変動費の割合を10%(1000万円)、という比率で割り振るものです。

給与手当が1億円であるならば、固定費の割合を50%(5000万円)、変動費の割合を50%(5000万円)、という比率で割り振るものです。

勘定科目法や費目別精査法の最大の欠陥は、固定費と変動費の割合を決めるにあたり、ヒトの主観が介入することです。

当期の割合が、90%、10%、50%としましょう。
翌期の割合が、89%、11%、49%、51%へと改定された場合、それを客観的に証明することはできません。

すなわち、勘定科目法や費目別精査法は、粉飾まみれの経営分析手法だということです。


【認識すべき問題点その3】

経営分析の手法が粉飾まみれであっても、企業外部に公表する資料でなければ、それは別に構わない問題です。

ところが、原価計算や原価管理の世界となると、話は別です。

企業会計審議会『原価計算基準』では、予定配賦率や標準配賦率を算定する基礎として、固定費と変動費の割合を決めるように指示しています。

ほら、ここにも、固定費と変動費が登場しました。
上場企業で行なわれている原価計算や原価管理は、粉飾まみれのリスクを抱えているということです。

「いや、わが社で予定配賦率や標準配賦率を算定するにあたっては、SE(システムエンジニア)などによる意図的な操作はできないようにしています」と主張する人もいることでしょう。
それは嘘です。

なぜなら、予定配賦率や標準配賦率を意図的に操作できるから、あの東芝問題が起きたのです。
同社で工程間の予定配賦率を見事に操作した事例を、次の関連ブログで紹介しました。
【関連ブログ】

「オレのやっていることが、信じられないのか」というのは、粉飾決算に手を染めている者の決まり文句です。


新・ほんとうにわかる経営分析』全面改訂版では、企業内部の経営幹部や企業外部の第三者に役立つ経営分析に的を絞り、原価管理にまでは言及していません。
掲載した数式は、加減乗除の四則計算に限定しています。

新・ほんとうにわかる経営分析』に収録したCVP分析は、基本中の基本を、勘どころを押さえて説明することにしました。
固定費や限界利益などの概念が、経営分析の世界でどれほど重要であるかは、いくら説明しても説明しすぎることがないからです。

その重要性を認識し、重要であるが故に、理論的に誤った分析結果で業績評価を歪めたり、理論的に誤った分析結果でリストラに取り組んだりしたりしないように注意してほしいのです。

問題意識を持って取り組む仕事と、問題意識を持たず無反省のままに取り組む仕事とでは、同じ解析数値を見ても、それに対する解釈はまったく異なるものとなるはずです。


今度、パソコンの画面で、CVP分析(損益分岐点分析・限界利益分析・線形回帰分析)の図表や、予定配賦率・標準配賦率の計算結果を眺める機会があったら、後ろをそっと振り向いてみてください。

次の受賞論文を小脇に抱えた人物が、嘲笑している姿を見ることができるでしょう。
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF 32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳

国立国会図書館所蔵の論稿集は、こちら。
日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』(PDF 12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田直芳

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