公認会計士高田直芳会計物理学&会計雑学講座

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制作著作 高田 直芳 公認会計士 税理士
会計物理学&会計雑学講座
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新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』
(PDF 32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田 直芳

日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
(PDF 12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田 直芳

パワーポイント資料は、こちら。

zoom RSS 公認会計士高田直芳:貸借対照表や損益計算書を会計物理学で解き明かそう

<<   作成日時 : 2017/01/28 01:00   >>

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貸借対照表や損益計算書を
会計物理学で解き明かそう

〜 会計物理学 Accounting Physics 事始め 〜


通常、貸借対照表や損益計算書は、人為的・作為的に制度設計されたものなので、そこに自然界の物理法則など観察できるわけがない、と決めつけてしまいます。

しかしながら、個々の会計処理が熟達・精緻化されたものであって、かつ、膨大な件数にのぼるのであれば、それをまとめた貸借対照表や損益計算書に、何らかの物理法則が現われても不思議ではありません。

数十社・数百社の企業集団をまとめた連結貸借対照表や連結損益計算書ともなると、なにをか況んや、です。

逆に、物理法則が観察されないのであれば、そこには粉飾決算や不正会計などの、人為的・作為的な操作があるとみるべきです。


では、ミクロレベルの会計処理から、マクロレベルの貸借対照表や損益計算書に至るまでの過程で、どのような物理法則が現われるのか。

と、ここまで書けば、物理学の一分野である「熱・統計力学」に思いが至ります。
ミクロの分子の集まりから、「熱」などのマクロの現象までを、統一的に扱う物理学です。

統計力学の創始者であるボルツマン(1844〜1906)は、次の方程式を提示しました。
【資料1】ボルツマン方程式

上記【資料1】を「ボルツマン方程式」といい、次の書籍75ページで紹介されています。
【資料2】
死ぬまでに学びたい5つの物理学
筑摩書房
山口 栄一
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ボルツマン方程式は、上掲書76ページの写真にもある通り、ボルツマンの墓にも刻まれているほどの、有名なものです。

上記【資料1】は対数関数であり、「 log 」は自然対数です。
「 log 」は、下掲【資料8】のように「 ln 」と表記されることがあります。

対数関数の逆関数は指数関数ですから、【資料1】は次の関数形に書き換えることができます。
【資料3】

上記【資料3】の「 e 」が「自然対数の底e 」であることは、言わずもがなの話です。

以上の方程式からから明らかになることは、自然界は「複利的な増殖」や「複利的な減衰」をする物理法則に従っている、ということです。

それを物理学の世界で初めて解き明かしたのが、ボルツマンです。


【資料1】の対数関数や、【資料3】の指数関数は、貸借対照表や損益計算書に、どのような形で現われるのか。

次の関連ブログで紹介したセブンイレブンのデータを、【資料5】に再掲します。
【資料4:関連ブログ】

【資料5】タカダ式操業度分析(セブンイレブン)
画像

上記【資料5】上段は、【資料3】の指数関数(指数曲線)で描いたものです。
【資料5】下段は、【資料1】の対数関数(対数曲線)で描いたものです。

【資料5】の上下ともに、「タカダ式操業度分析」といいます。


上場企業の四半期報告書や決算短信を用いると、あらゆる企業で【資料5】と同じ指数曲線や対数曲線を描くことができます。

なぜか。
現実の企業活動では、次の【資料6】に示す事実を観察することができるからです。
【資料6】
  • 製造業に勤務する人であれば、工場内の各工程を観察してみてください。
    • 工場内に無数に存在する工程に、材料費・労務費・経費を次々と投入していくと、無限回数の振り替え計算が行なわれていることがわかります。
    • 材料・仕掛品・製品などが入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 流通業に勤務する人であれば、店舗に置かれた商品を観察してみてください。
    • 日々仕入れた商品は、棚に補充したそばから、消費者へ次々と販売されていきます。
    • 膨大な商品が入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 財務や経理に携われる人であれば、手元にある帳簿を観察してみてください。
    • 上場企業のような大規模組織になると、帳簿に記帳される仕訳の数は、1日で数百行や数千行にものぼります。
    • 振り替えの仕訳を含めれば、年間では数億行や数十億行の仕訳の数になります。
    • 入金と出金を無限に繰り返すその様は、無限連鎖の複利計算を行なっていることと同じです。

つまり、企業のコスト構造の本質は「無限連鎖の複利計算構造」にあるのだから、【資料5】上段で指数曲線として描くことができ、【資料5】下段で対数曲線として描くことができるのです。

以上の理論構成は、次の受賞論文に記述しています。
【資料7】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF 32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳

国立国会図書館所蔵の論稿集は、こちら。
日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』(PDF 12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田直芳

ここまでの説明は、損益計算書に【資料1】のボルツマン方程式を当てはめて、タカダ式操業度分析として展開したものでした。

次に、貸借対照表に【資料1】のボルツマン方程式を当てはめると、どうなるか。


経済学には「収穫逓減」という概念があります。

例えば、ヒト・モノ・カネなどの経営資源を整数倍で投入していっても、売上高は整数倍では増えず、徐々に頭打ちとなっていきます。

理由は、組織の至る所に、ボトルネックが存在するためです。
ボトルネックのすべてを解消しない限り、収益は逓減していきます。

ボトルネックで最大のものは、社長は1人しか置けない、という会社制度にあります。

それを解消するために採用されるのが、事業部制であり、子会社を利用した連結決算です。


先ほど紹介した経営資源は、貸借対照表でいえば、総資本(総資産)が該当します。

経営資源=総資本に収穫逓減が現われるならば、貸借対照表の反対側にある他人資本や自己資本にも収穫逓減が現われるはずです。

なにしろ、貸借は必ずバランスするのですから。


そこで、他人資本と自己資本それぞれを、【資料1】のボルツマン方程式で表わし、両者を足し合わせます。

それが次の【資料8】です。
【資料8】タカダ式企業価値方程式
画像

上記【資料8】を図解したものが、次の【資料9】です。
【資料9】最適資本構成タカダ理論
画像

上記【資料9】において、左下から伸びる対数曲線は、他人資本をボルツマン方程式で描いたものです。
【資料9】において、右下から伸びる対数曲線は、自己資本をボルツマン方程式で描いたものです。

【資料9】では、2本の対数曲線を縦に足し合わせて、「おわん型」の曲線を描いています。
この「おわん型曲線」の方程式が、【資料8】です。
【資料9】の右上に、【資料8】の方程式を表示しています。

【資料9】の「おわん型曲線」の頂点Pにおいて、他人資本と自己資本の「最適な資本構成割合」を求めることができます。
これが、貸借対照表に【資料1】のボルツマン方程式を当てはめた結果であり、「最適資本構成タカダ理論」といいます。


上記【資料9】に似た図表が、【資料2】の書籍79ページ〔図2−2〕にあります。

その〔図2−2〕では、左下から「20度の冷水の対数曲線」を、右下からは「80度の熱水の対数曲線」をそれぞれ描き、両者をかけ合わせて「50度のぬるま湯」の温度を求める方法が図解されています。

「ぬるま湯」を求める統計力学の論理を、貸借対照表に当てはめると、他人資本と自己資本の「最適な資本構成の割合」を求めることができる、という次第です。

すなわち、損益計算書だけでなく貸借対照表も、統計力学で解き明かすことができる、ということです。

最適資本構成を解くものとして、次の関連ブログを掲げます。
【資料10:関連ブログ】企業価値とファイナンスの革新を目指して

ミクロレベルではまとまりのない会計処理をしていても、それを積み上げていって作成するマクロレベルの貸借対照表や損益計算書には、自然界の物理法則が現われる。

それを、物理学の「統計力学」で検証できるのが、タカダ式操業度分析や最適資本構成タカダ理論の仕組みです。
これらに、貸借対照表や損益計算書を組み合わせたものを、次に掲げます。
【資料11】
画像

【資料11】では、左上に損益計算書、その下にタカダ式操業度分析があります。
【資料11】の中央には貸借対照表、その右に最適資本構成タカダ理論があります。
かくして、貸借対照表や損益計算書を、ボルツマンの統計力学で解き明かすことができます。

なお、【資料11】の出典は、次の拙著374ページになります。
高田直芳の実践会計講座
「経営分析」入門

日本実業出版社
高田 直芳
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ボルツマンの生前、彼が創設した統計力学は、学界の権威から否定され、学者仲間からは無視され、四面楚歌の状態。
心を病んだボルツマンは、1906年に自死します。

ボルツマンの死後、統計力学の正しさを証明したのが、相対性理論で有名なアインシュタインです。
そうした経緯が、【資料2】の書籍71ページなどで紹介されています。


それにしても──、
物理学は数多くの「孤高の天才」を輩出するのに対し、会計学は「権威主義に群がる秀才」ばかりだなと。

経済会計学やら、会計経済学やら、会計工学やら、御題目は立派だが、中味が伴わず。
エクスプレインやら、コンプライやら、妙ちくりんなカタカナ英語が氾濫する、会計の世界。

御題目が立派でも、字句をどれほど取り繕うとも、現代の会計の基本は、1次関数にあります。
管理会計の損益分岐点分析(CVP分析)しかり。
原価計算制度の予定原価・標準原価・直接原価・活動基準原価しかり。

1次関数とは、単利計算構造のこと。
こうした計算構造に立脚した会計を、「古典派会計学」といいます。


古典派会計学が単利計算構造に拘泥している限り、貸借対照表や損益計算書の本質が複利計算構造にあることを見抜くことはできません。

従前ブログで紹介した書籍『金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った 安部芳裕』59頁で紹介されているアインシュタインの言葉を以下に引用します。
【資料12】『金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った』安部芳裕
    「問題は、その問題を引き起こした考え方と同じ考え方をしているうちは解けない」(アルバート・アインシュタイン)

ちなみに、経済学では、企業のコスト構造を、2次関数や3次関数で説明します。
【資料13】

経済学に、企業活動を複利関数で解き明かそう、という考え方はありません。
だから、経済学者やファイナンス学者などが、数万人・数十万人と知恵を絞ろうとも、【資料10】の関連ブログで述べた「最適資本構成の問題」を解くことはできないのです。

ビッグデータを2次関数や3次関数に当てはめて、何を分析しようというのでしょう。
1990年代ころから経済物理学という分野が流行っていますが、「木を見て森を見ず」といった印象が強い。

経済学者には、【資料12】に示したアインシュタインの言葉が伝わらないようだ。
ということで、このブログで、会計物理学 Accounting Physics というものを始めます。

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以下は、直近のブログ(50件程度)のタイトルだけを表示しています。

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