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新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』
(PDF 32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田 直芳

日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
(PDF 12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田 直芳

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zoom RSS 公認会計士高田直芳:ヨコのものをタテにした会計システム

<<   作成日時 : 2017/04/27 01:00   >>

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ヨコのものをタテにした会計システム


「タテのものをヨコにもしない」というのは、面倒くさがり屋をさす諺(ことわざ)です。
だからといって、縦と横を自由に入れ替えていいわけではありません。

中学の算数では、写像というものを学習し、ものごとには原因と結果があることを教わりました(現在では、「写像」という概念は教わらないらしい)。

その後、座標幾何学で、横軸は独立変数、すなわち原因を表わし、縦軸は従属変数、すなわち結果を表わす、と教わりました。

それが固定観念となってしまい、経済学を初めて学んだとき、需要曲線と供給曲線の読みかたに苦労した覚えがあります。

  • 需要曲線において、横軸の数量が増えると、なぜ、縦軸の価格が下落するのか。

  • 横軸の需要量が増えれば、縦軸の価格は上昇するはずだろうに。

上記は固定観念に縛られたものであり、初学者の疑問はすぐに氷解しました。
【資料1】クルーグマンミクロ経済学73ページ

慣習的に、私たちは独立変数をヨコ軸にとり従属変数をタテ軸にとる。

(略)すなわち、独立変数(戸外の気温)がヨコ軸にとられ、従属変数(ソーダの販売数量)がタテ軸にとられている。

この慣習に対する重要な例外は、生産物の価格と生産数量との経済関係を示すグラフだ。価格は一般に数量を決定する独立変数だが、いつでもタテ軸にとられる。

クルーグマン ミクロ経済学
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需要曲線と供給曲線を描く場合には、縦軸が原因、横軸が結果を表わします。

需給曲線以外では、為替相場で円レートが縦軸となっているケースがあります。


CVP分析(損益分岐点分析)というものがあります。
総コスト(総費用)を、固定費と変動費とに分解して、損益分岐点を求めるものです。

CVP分析では、横軸の売上高が原因となり、縦軸の総コスト(総費用)が結果を表わします。

したがって、縦軸上に「固定費」をとり、横軸と平行に「固定費線」を描くことになります。


以前、某会計システムに搭載されているCVP分析(損益分岐点分析)を見たとき、固定費線が垂直に立っていて、目が点になったことがありました。

「何を考えているのだ。このシステムはっ!」と、思わず叫んでしまいました。

固定費線は横軸に平行に描かれるべきもの、という固定観念に縛られているか否かに関係がありません。
「費用収益対応の原則」を取り違えています。


「費用収益対応の原則」を字句通りに読むならば、「費用 → 収益」、すなわち「費用が原因」「売上高は結果」という写像になります。

総コスト(総費用)は原因だから横軸に、売上高は結果だから縦軸にして、ゆえに固定費線は垂直に立つ、という論理なのでしょう。

浅学で恐縮ですが、「収益費用」ではなく、「費用収益」の語順が採用されたのは、声に出したときの「読みやすさ」にあったかと。

読みやすさに拘らなければ、「収益費用対応の原則」とするのが正しい。


「収益費用」の語順であれば、「売上高が原因」「費用が結果」という写像になります。
損益計算書で、売上高がトップにくる理由でもあります。

また、収益と対応しない費用は、結果として、貸借対照表に棚卸資産として繰り延べられるのです。

固定費線を垂直に立たせようというのであれば、損益計算書は、売上原価 → 売上高 → 売上総利益、の配列とする必要があります。
これでは、会計理論の破綻です。


「商品の仕入れが先にあるから、売上が立つのではないか?」という反論があることでしょう。
しかし、売上が立たなければ、その商品はいつまで経っても貸借対照表に計上されたままです。

売上原価として損益計算書に計上されるのは、売上高という原因があってこそ。

その論理でいけば、横軸は売上高、縦軸は総コスト(総費用)であり、固定費線は常に横軸に平行とするのが正しい。


次の受賞論文に掲載している図表で確認してもらえばわかるように、横軸を売上高としたり、年月としたりしているのは、これらが原因となってコストや比率を写像しているからです。
【資料2】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF 32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳

国立国会図書館所蔵の論稿集は、こちら。
日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』(PDF 12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田直芳

某会計システムに搭載されたCVP分析が、その後どうなっているのかはフォローしていません。

閉塞感が漂う古典派会計学の世界で、縦軸と横軸をいじくり回すことにより、システムとしての独自性を打ち出したかったのでしょう。

「あはれ」を誘うシステムでした。

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕

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