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zoom RSS 公認会計士高田直芳:D/Eレシオで日本経済新聞を読み解く

<<   作成日時 : 2017/04/04 01:00   >>

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D/Eレシオで日本経済新聞を読み解く


理論が実務に役立つかどうかなど、「オレには関係ない」と強弁をふるう人もいることでしょう。

しかし、実務家の立場からすれば、現実で起きていることを説明できない理論は、ちっとも楽しくない。

理論と実務に矛盾がある場合、新しいものを考えていくのは、すこぶる楽しい。

その楽しさの延長線上にあるものとして、次の【資料1:関連ブログ】1. では、「D/Eレシオの最適解」を求めるための一般公式を提示しました。
【資料1:関連ブログ】

  1. D/Eレシオの一般的な目安を、タカダ式DEレシオの最適解が打ち砕く

  2. D/Eレシオに「一般的な目安」はあるのか

  3. 続・D/Eレシオに「一般的な目安」はあるのか

  4. 日本基準のD/Eレシオと、IFRS基準のD/Eレシオ

今回は、上記の「理論」を用いて、日本経済新聞の記事から浮かび上がる「現実」を、読み解いてみることにします。
【資料2】日本経済新聞2016年7月23日

金融危機やリーマン・ショックを経て日本の経営者の脳裏に「借金=悪」との図式が刻まれた。

だが、マイナス金利時代の常識は違う。

トヨタ自動車の金融子会社が発行した期間3年の社債は利率が年0.001%だ。

1億円借りても毎年1000円払えばいい。


利息よりも印紙代のほうが高いな、という問題はさておき、上記【資料2】にある「0.001%」を、他人資本コスト率と見立てます。

自己資本コスト率は、いくら見積もればいいか。
【資料3】日本経済新聞2017年3月3日

経済産業省は2014年に公表した「伊藤リポート」で企業は8%を超えるROEを達成すべきだと定義した。

8%は株式市場から資金を調達するコストを上回る利益水準の目安で、企業が達成すべき最低限の水準とされる。


上記【資料3】にあるように、ROEは「企業が達成すべき最低限の水準」とされます。
したがって、ROE=8%を、最低限の自己資本コスト率と見立てます。


以上の記事を利用して、D/Eレシオを計算することができるか。
古典派会計学という権威主義の世界にいる人たちは、「できない」と即答します。

D/Eレシオは、「他人資本の金額」と「自己資本の金額」との関係から計算されるものであり、上記の記事にはそうした金額が明示されていないからです。


それに対し、会計物理学を創設した私(高田直芳)は、「できる」と即答します。
上記【資料1:関連ブログ】の【資料22】で示した「タカダ式D/Eレシオ」があるからです。

その【資料22】の式の通りに、他人資本コスト率=0.001%、自己資本コスト率=8%を代入すると、D/Eレシオの最適解は8000倍になります。

自己資本を1億円とするならば、他人資本は8000億円なり。

異常とも思える倍数(8000倍)であり金額(8000億円)ですが、これがマイナス金利という異常事態における「D/Eレシオの実務解」なのです。


億単位の借金をしても、その支払利息が数千円しか要しないのであれば、企業としては積極的な経営戦略に打って出たいところ。
【資料4】日本経済新聞2017年4月3日

日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)が拡大している。

2016年度の買収額は前年度より3割増え、過去最高の11兆円弱に達した。

国内市場が成熟するなか、高い技術やブランド力、販路を持つ先進国企業などの買収で新たな収益源を確保する動きが目立つ。

低金利で資金を調達しやすい環境が続き、案件の大型化も進んだ。

【資料5】日本経済新聞2017年4月3日

とりわけ大企業は、国内を中心に活動する中堅・中小とは異なり、海外でのM&A(合併・買収)や生産の増強に資金を振り向けがちです。

その結果、研究開発費を加算した新基準では、15年の国内投資は前年比2.0%増の81兆3千億円、16年は同0.5%増の81兆7千億円と足踏みしています。


すべての企業がM&Aに打って出ているわけではありません。
ほとんどは、カネの使い道に困っているはず。
【資料6】日本経済新聞2017年3月18日

銀行預金が急増している。

全国銀行協会によると、小切手などを差し引いた実質預金は2月末で前年同月比5.1%増の697兆543億円。

金融危機だった1999年以来の高水準の伸びが続いている。

預金というと個人を思い浮かべがちだが、今のけん引役は実は企業だ。

日銀統計でみると、伸び率は個人預金の2%に対し、一般法人は12%と突出している。


もちろん、個人だって黙ってはいません。
【資料7】日本経済新聞2017年4月3日

タンス預金の増加が止まらない。

第一生命経済研究所によると、直近の2月末時点で43兆円と前年同月比8%増えた。増加額は3兆円で国内総生産(GDP)の0.6%に達する。

日銀はマイナス金利政策による預金金利の低下が一因と分析するが、金利はすでにないようなもの。

(略)日銀の2016年12月末時点の統計でみても、国内の現金保有のうち全体の8割が家計に集中しており、タンス預金も家計に偏っているとみられる。


カネ余りが広がる中、日本経済新聞は「アパート融資、異形の膨張」として警告を発しています。
【資料8】日本経済新聞2017年3月26日

金融機関による2016年の不動産向け融資が12兆円超と過去最高を記録した。

背景の一つが相続対策のアパート建設だ。

(略)中小企業が運転資金の名目で借りる「事業性融資」が実はアパート向けだったりすることもあるが、金融機関によって定義はあいまいだ。


低金利またはマイナス金利の時代なのですから、「D/Eレシオの最適解」が数千倍・数万倍になるのは、当然の結果。
その裏で暗躍している企業や個人のフトコロ事情は、しっかり読み取らないと。

第1に、「D/Eレシオの最適解」よりも、「D/Eレシオの実績値」が非常に低い企業は、暇を持て余している可能性があります。
その裏返しとして、当座預金や普通預金が膨らんでいるのでしょう。

小人閑居して不善をなさなければいいが。

第2に、「D/Eレシオの実績値」が「D/Eレシオの最適解」に近い企業であっても、投資先に問題がないかを注視する必要があります。

上記【資料4】の関連記事として、次のものがあります。
【資料9】日本経済新聞2017年4月3日

専門家の間では、『海外M&Aの成功率は2割程度』とされる。

買収額に見合った成果を想定通りに出せなければ、買収先のブランド価値を示す『のれん代』が損失に転じる恐れがある。


まさか、貴社で行なわれている投資案件は、M&Aに名を借りた「アパート経営」ではないでしょうねぇ。

成功率が2割というか、空室率が8割では、目も当てられぬ。

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕

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