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新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』
(PDF 32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田 直芳

日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
(PDF 12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田 直芳

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zoom RSS 公認会計士高田直芳:アナリストの受難と空売り投資家の功罪

<<   作成日時 : 2017/06/29 01:00   >>

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アナリストの受難と
空売り投資家の功罪



日本経済新聞で、2017年6月28日と29日にわたり、「アナリスト受難の時代」という記事が掲載されていました。

世界中で毎日8千本ものレポートが乱造されては、たとえ日本語に訳されたものであろうとも、1本でさえ読む気になれない。

近い将来、レポートの大半は人工知能AI が作成・編集し、それを人工知能AI がビッグデータとして集積し、その解析結果に基づいて人工知能AI が高速回転売買を仕掛けることになるのでしょう。

人の営む職業が、人工知能AI によって駆逐されるのも肯けます。

空売り投資家の存在も、レポートに対する不信感を増殖させます。
【資料1】
「空売り投資家、日本標的に、伊藤忠・サイバーダイン株急落(真相深層)」
日本経済新聞2016年9月8日付

上場企業の業績などに疑義を唱えるリポートを公表し、株価下落でもうける新手の投資家が日本企業を標的にし始めた。

自らは事前にその企業の株券を借りて売却(空売り)し、株価が下がれば買い戻して利益を得る。(略)

米国ではこうした空売り勢は珍しくない。現実に不正会計問題につながった例もある。(略)

今回の空売り勢は財務諸表などを基にリポートを作成した。

日本取引所グループでインサイダー取引などに目を光らせる自主規制法人幹部は「公表情報に基づいたリポートで、しかも空売りしていると自らのポジションを宣言している。一般論だがインサイダーとは言いにくい」と困惑気味だ。


「疑義を唱えるリポート」には、ヒトの意思が介在するので、人工知能AI によって踊らされるよりは、まだマシなほう。
しかし、このようなレポートが蔓延(はびこ)れば、良質のレポートは見向きもされなくなる。

アナリストの世界にも、グレシャムの法則「悪貨は良貨を駆逐する」が当てはまるようです。


上掲の日経記事「アナリスト受難の時代」では、次の文章がありました。
【資料2】「アナリスト受難の時代(下)」日本経済新聞2017年6月29日付

アナリストの苦境ぶりは日本にも共通している。

規制強化で企業調査が難しくなり、業績を予測する従来の手法は通用しなくなった。


業績を予測するのが難しくなった要因として、私(高田直芳)から、次の3点を指摘しておきます。


1つめは、前世紀(20世紀)の前半から今世紀(21世紀)に至るまで、100年以上もの間、業績を予測するための手法として、CVP分析(損益分岐点分析)しか存在しなかったことを指摘できます。

CVP分析(損益分岐点分析)というのは、1次関数に基づく単利計算構造基づいて企業業績を予測する手法です。

ところが、現実の企業活動では、次の【資料3】に示す事実を観察することができます。
【資料3】
  • 製造業に勤務する人であれば、工場内の各工程を観察してみてください。

    • 工場内に無数に存在する工程に、材料費・労務費・経費を次々と投入していくと、無限回数の振り替え計算が行なわれていることがわかります。

    • 材料・仕掛品・製品などが入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 流通業に勤務する人であれば、店舗に置かれた商品を観察してみてください。

    • 日々仕入れた商品は、棚に補充したそばから、消費者へ次々と販売されていきます。

    • 膨大な商品が入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 財務や経理に携われる人であれば、手元にある帳簿を観察してみてください。

    • 上場企業のような大規模組織になると、帳簿に記帳される仕訳の数は、1日で数百行や数千行にものぼります。

    • 振り替えの仕訳を含めれば、年間では数億行や数十億行の仕訳の数になります。

    • 入金と出金を無限に繰り返すその様は、無限連鎖の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 株式市場や仮想通貨市場を観察してみてください。

    • 人気が沸騰すればするほど、限りなくゼロに近い時間軸の中で、膨大な数の取引が行なわれます。

    • 買いが買いを呼び、売りが売りを呼ぶその経済現象は、無限連鎖の複利計算を行なっていることと同じです。
  • マクロ経済の産業連関表を観察してみてください。

    • ある産業で生産された中間財は次の産業へ投入され、そこで生産された中間財は次の産業へと投入されていきます。

    • その流れは、マクロ経済レベルで、無限連鎖の複利計算を行なっていくことと同じです。

すなわち、企業のコスト構造やミクロ・マクロの経済構造は、無限回数で連鎖する複利計算機構を内蔵していることがわかります。

それを論証したのが、次の受賞論文です。
【資料4】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF 32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳

日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』(PDF 12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田直芳

複利計算構造を内蔵する企業活動を、単利計算構造のCVP分析(損益分岐点分析)で業績予測しようというのは、専門家として任務懈怠といえるでしょう。
100年以上も「創造と革新」を怠っては、「受難の時代」も当然だといえます。

なお、企業のコスト構造を複利計算で描く手法は、私(高田直芳)のオリジナルであり、著作権法上、誰も二次使用できないことを警告しておきます。


2つめは、国際会計基準(IFRS基準)の存在です。
IFRS基準を採用する上場企業は、今後、増えることがあっても、減ることはありません。

IFRS基準の厄介なところは、会計処理や表示方法に各社のオリジナリティが反映され、他社との業績比較が困難になりつつあることです。

1社単独での分析が要求される。

その場合、CVP分析(損益分岐点分析)などに基礎を置いた管理会計や経営分析は、まったく役に立たないといえるでしょう。


3つめは、「確率・統計」に対する無知無理解です。

現代の管理会計や経営分析の本質は、「決定論」にあります。
決定論で、将来の不確実性を予測するのは不可能です。

決定論というのは、ニュートン力学からアインシュタインの相対性理論に至るまでの古典物理学と同じ。 →「ウィキペディア 古典物理学」を参照。
その例に倣えば、現代の管理会計や経営分析は、古典派会計学と呼ぶに相応しい。

現代物理学は、量子力学を中心とした「確率論」にあります。
それを会計の世界に応用しようと考えて、私が創始したのが会計物理学。

中学生の算数にとどまり、タカダ式確率微分方程式などを「おぞましい」と考えている人たちが、企業業績の将来を語ろうとするのは「おこがましい」。

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕

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